市民フォーラムご報告
2016年6月17日（土）にアクロス福岡・国際会議場にて、300人を超える満員の聴講者を集めて九州大学歯学部創立５０周年記念市民フォーラム「食と健康－おいしく食べて健康長寿－」を開催しました。
古谷野潔歯学部長の挨拶の後、医学研究院病態制御内科学分野・小川佳宏教授が、「肥満は万病のもと」の講演タイトルで、肥満とはなにか、皮下脂肪と内臓脂肪、異所性脂肪の違い、肥満がもたらす様々な疾患についてわかりやすく解説されました。
次に、歯学研究院口腔機能解析学分野・重村憲徳教授が、「味覚と肥満」のタイトルで講演されました。脂肪細胞が作り出す生理活性物質であるレプチンが食欲を抑制して肥満や体重増加を防ぐこと、肥満状態ではレプチンの効きが悪くなり、うまく食欲が抑制されないことなどが、最新の研究成果をもとにわかりやすく説明されました。
休憩の後、料理研究家・栄養士で山際生活デザイン研究所を主宰する山際千津枝先生が「人生美味しく食べよう～ささっと作って健康生活～」のタイトルで講演されました。山際先生は、米食の意義や、和食、洋食といった枠にとらわれない「揺食（ようしょく）」という考え方、食事をきちんと配膳することやいただきますという言葉の重要性等について、ユーモアを交えてわかりやすく講演されました。
三人の講師とも、難しい内容であっても非常にわかりやすく解説され、素晴らしい市民フォーラムとなりました。講演後、パネルディスカッションと聴講者を交えた質疑応答が行われました。
会場からは、高齢者の食の疑問や日常の食と健康、日々の歯磨きのタイミング等について質問が出され、活発な討論が行われました。最後に、「心を痛めるニュースが多い中、九州大学歯学部が行っている非常にレベルが高い研究活動を見ることができた。もっと新聞などで広報していって欲しい」という意見が出され、市民の皆さんの九州大学歯学部への期待を感じつつ同窓会長・久保秀郎先生のご挨拶を以って閉会となりました。
（この記事は６月２８日の読売新聞にも掲載されています）
---------------以下、開催前の告知を残しております-------------------
一般市民の方々を対象に歯科関連の情報を提供する公開講座として、記念フォーラムを開催いたします。
日時：2017年6月17日（土）
会場：アクロス福岡 国際会議場
テーマ：「食と健康 －おいしく食べて健康長寿－」
演者： 山際 千津枝 氏（料理研究家・福岡市在住）：「食と健康（仮題）」
重村 憲徳 氏 （歯学研究院 口腔機能解析分野・教授）：「味覚と肥満」
小川 佳宏 氏 （医学研究院 病態制御学内科学分野・教授）：「肥満は万病のもと」
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